心が不安定な子どもだんだんと元気を取り戻すと、親としては「ここまでできたら、もう大丈夫だね。一直線に元通りになるだけ!」って思うのですが、心というものはそう簡単ではないようです…。
一直線って親の期待なんだなぁ。我が家の場合を書いてみますね。
「子どもの心は行ったり来たり」を学んだ本
実は今、読んでいる本があります。
精神科医で精神病理学、児童思春期精神医療がご専門の明橋大二先生が書かれた『見逃さないで! 子どもの心のSOS 思春期に がんばってる子』(1万年堂出版)という本。
明橋先生の優しい目線で思春期の子どもたちに大事なことがいろいろと書かれている本で、不登校のことについて書かれている章もあるんですよ。
回復してきている息子の心ですが、まだ少し不安定。息子の心が揺れるたびに「どうしてそうなの?」と迷うことがあります。
ちょうど先日もちょっとモヤっていましたが、その時にこの本のたまたま開いたページにこれ!と思うようなことが書かれていて、気持ちがスーッと安心しました。
「子どもの心の成長は依存と自立の繰り返し」という言葉にホッとしました。
私がモヤっとしたのは、息子が「お母さん、まだちょっと不安。だからどこかへ行くときは近くのバス停まで送って欲しい。」と言った時でした。
だって、最近の息子は一人で電車に乗って奈良県や大阪市内まででかけられるようになっているのですよ、知らない街だって一人で歩ける。それなら家の近所なんてあるけるでしょう!それなのに、「近くのバス停まで送って」だなんて。
できるのに、「できない」って言って、何を甘えているんだろうかと思っていました。この時の私は「子どもの成長は一直線!」と思っていたんですよね、だから、順調に一直線に進んでいないと息子にモヤモヤしてしまったんです。
でも、本に書かれていたのは「まずは依存して安心感を手に入れる。その安心感を支えに自立していく。自立の方向に進んで行って、そこで不安を感じたら、また依存をして安心を得る。その行ったり来たりを子どものペースで繰り返しながら自立に向かっていく。」ということでした。

「大丈夫」と「助けて」を両方使えること。
息子の場合は「遠くの街なら一人で歩ける」が大丈夫。「バス停まで送って」が助けて。
「助けて」と言った時には拒否せず聞いてあげる。
そうすることで、「自分が困った時には親は助けてくれる」、とか「自分はできないことがあっても助けてもらえる存在である」という安心感を得ているのだと思いました。
まさに行ったり、来たり、ですね。これを繰り返して私から巣立っていくのだろうなぁ。
その時までもう少し。行ったり来たりを繰り返す息子にしっかりと付き合ってみようと思っています。

余裕を持って楽しみながら。
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