依存することの大切さと依存する対象
先日の投稿【少しずつ少しずつ元気になっている息子の心、もうしばらくは行ったり来たりできることが必要なようです。】で依存し、「受け止めてもらえることで子どもの心が成長してくる。」、「心が安定するためには依存は必要」ということを書きました。
それを教えてくれたのが明橋大二先生の著書『見逃さないで!子どもの心のSOS 思春期にがんばってる子』(1万年堂出版)でした。
今日もこの本で出会った印象深い言葉と私が思ったことををお伝えします。
小さな子どもにも、思春期の子どもにも大人にも依存できる(甘えさせてくれる)存在が必要。その依存する対象が小さな子どもと思春期の子どもでは変わってくるそうです。
思春期になってくると「いつまでも親に甘えていられない。」と感じて依存する対象は親から友達へと変わっくると書かれています。

友達との関係
思春期に依存の対象となる友達。友達が自分の気持ちを受け容れてくれると安心する。友達って大事だな。友達とうまく付き合えるといいな。
でも、まだまだ発展途上の思春期の子どもたち。ちょっとした思い違いがあったり、気持ちをストレートにぶつけてしまって、うまく分かり合えなかったりすることがたまに起こりますよね。
大人でも人間関係のこじれは難しくて、落ち込むこともありますね。人間関係のこじれって気持ちを立て直す方法をいくつか知っている大人でも大変だなと感じること。
経験や知識の数が少ない子どもたちなら「戸惑い」、「大変」、「辛い」という気持ちが更に大きいと思います。
心が深く傷ついた時には「もう学校に自分の居場所はない。」と感じる子もいるかもしれませんね。

深く傷ついた心を癒す場所はお家。それができなかった私。
そんな、友達との間で傷ついた時に子どもたちが帰れるたった一つの場所はお家、受け止めてくれるのは親、なんです。子どもたちが「つらいな」「自分はどうしたらいいのだろう。」「安心したい。」って思って戻ってくる。どうぞ、そんな時にはしっかりと依存させてあげてください。
そうすることで子どもたちは「自分は甘やかしてもらえる存在。」「愛される価値のある存在。」と感じることができて、自己肯定感や自己重要感が育って安定していけるだそうです。
残念ながら、私は息子が悩んだ最初の時期にそれができていませんでした。
息子の場合は誰かにいじめられたわけではなかったのですが、思い違いがあったり、理解し合えなかったりが起こっていました。そして、息子は自分を責めていました。その時の息子は「学校には居場所がない。」と感じていたようです。
そんな気持ちを受けて止めて欲しくて私に悩みを話していたのですが、当時の私は「息子は背中を押せば大丈夫。」と思い込んでいました。もちろん辛さを受け止めていませんでした。
「大丈夫だよ。」「がんばれ!」って𠮟咤激励していました。「もうがんばれないよ。」って息子は言っているのに。
息子、辛かっただろうな、「オレは誰からも愛されることがない存在だ。」って思っていたんだろうな、と思います。今思っても後悔ばかり。

それでも息子はこの家を選んでくれた。
そんなひどい親なのに、息子は依存する場所として我が家を選んでくれたんです。
不器用だし、期待を裏切ることもした。そんな親しかいない家なのに、最後に頼る場所として、息子はこの家を選んでくれました。
息子の依存が形になった要求は当時の私には「めっちゃ無理。」と思うものが多かったです。「でも、そんな無理を言うくらいに傷ついていたんだな。」って今では思います。
あの時「めっちゃ無理。」を言ってくれて良かった。
それでも思います。始めに息子の気持ちをちゃんと受け止めてあげれていたら良かったなと。
だから、もし、お子さんが友達との関係をこじらせていたら、どうかお家の方がその気持ちを受け止めてあげてください。味方になってあげてください。
私と同じ後悔をしなくて済みますように。

こじれ始めた頃に息子の気持ちを受け止めてあげられなかったのでだいぶん遠回りをしてたくさん時間を使ってしまいましたが、今では息子もかなり元気になっています。
お互いにつらかったけれど、きっともう少し時間がたったらこのつらかった時間も大事にそっとしまっておきたいものになっていると思います。
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