通信制高校ってまだ、一般の進路としては広がっていなくて、ちょっと特別に感じられる。
私自身そうでした。しかも、なぜだか引け目を感じてしまうような…。
でも、考えようによって人生が豊かになる進路かもしれないなぁ…、なんて改めて感じました。
だって高校は高校ですからネ!

息子、無事卒業決定!
先日、息子は通信制高校で初めて定期テストを受けました。実はこれ、今年度最後のテスト、いわゆる卒業テストです。
その卒業テストの結果が今日郵送されてきました。結果は赤点なし!無事にテストをパスすることができていました。
どちらかというと毎日「いつ勉強するの?」って思うくらいにのんびりダラダラ。自由人とはこのことだな、というくらいに好きな時間に起きてきて、好きなことをして気がつけば夜。学校に行く日は週に2回だけ。そんな生活を送っていました。

テスト内容は…
そんなに自由気ままな毎日を送っているにも関わらず、及第点なんて私にはちょっと不可解。あんなにのんびりとすごしていたのに、赤点じゃないって??
送られた通知と一緒にテストの答案も同封されていて、息子が見せてくれました。
その内容は、とてもわかりやすいもの。たぶん中学校の基礎がわかっていれば、まず赤点を取ることはないだろうな、というレベル。
もちろん、今書いているのは、「息子が通う学校について」ですので、どこの通信制高校でも同じようにわかりやすいテストというわけではないです。
そして、やはり個人個人の得意・不得意があるので、私たち親子にとっては「わかりやすい」と感じていても、誰にとってもそうか、というと、そうではなく「難しい」と感じるお子さんもいらっしゃると思います。
それでも、一般の高校に比べたら、かなりわかりやすいものだと私は思いました。

前はかなり無理していたんだね。
このテストと、テスト結果を見て「通信制高校って、いい面もいっぱいだな!」って思いました。
全日制高校に通っていた時には必死で勉強していた息子。寝る時間は、ほぼ毎日12時を過ぎていました。遅い時には1時過ぎまで。そして次の日も朝早くに起きて登校。そう思えば、毎日疲れた顔をしていたかもな。
勉強をがんばっていた息子は自分について考えることもあまりできていなかったと思います。
自分が好きなものはなにか 、得意なものはなにか、おもしろいと感じることはなにか、挑戦してみたいものはなにか、好きな本はなにか…。多感な高校生の時期にこそこんなことをたくさん考えたり、感じたりする時間をたくさん持って欲しかったのに、「勉強しなきゃ。」ってがんばっていたから、そんなことも考られえていなかったように思います。きっと無理していたんだね。気づいてあげられなくてごめんね。

こう言ってしまうと、前にいた学校がひどかったとか、全日制高校はいけないって言っているように聞こえるかもしれませんが、そうではありませんので、誤解なさらないようにお願いします。
以前の学校や全日制高校でもしっかりと自分に向き合うことができているお子さんはたくさんいらっしゃるし、必要なことを学ぶためにがんばっていらっしゃると思っています。
そして、私は以前の学校には本当によくしていただいたので感謝の気持ちでいっぱいです。
ただ、息子はがんばりすぎていたし、息子の性格には合わなかったのだろうな、ということです 。
息子の周りが「好き」で埋め尽くされていく
以前の学校に通っていた頃はそんな様子だった息子です。そして通信制高校に変わってしばらくは、心の状態をよくすることと、新しい環境に慣れることで時間が過ぎていきました。
実際には「気持ちはラクになった。」とは感じましたが、「良かった。」としみじみ思うまでには少し時間がかかりました。
少しずつ新しい学校のペースに慣れてきて元気を取り戻してきた息子。私の知らないうちにネットでステキなものやおもしろいものに出会っていたようで、どんどんとそれを自分の生活に取り入れていきました。

例えばギター。それまで弦楽器なんてほとんど触ったことなかったのに、ネットや本からの独学ですが、もう何曲も弾けるようになりました。弾いている時の顔がとても楽しそう!「ムズカシくて弾けないよ~!」と言いながらニヤニヤしている。(イカしてるよ!)
そして、料理。これも「レンジで〇〇」や「男の料理」をネットで検索。そして実演!「え?それ自分で作ったの??」なんてものまでちょくちょく作っては満足そうな顔をして頬張っています。
それから読書。以前は「読まなきゃ」と無理に読んでいた本。今では「お母さんちょっと読んでみたい本があるねん。」と言って時々買っては読んでいます。そこからいろんな考え方を知り、息子の価値観も広がりつつあります。
そして息子が言った言葉は…。
オレ、通信制高校に変わって良かった!
そう、「オレ通信制高校に変わって良かった!」です。
息子は「以前の学校ではこんなこと。できなかった。勉強ばっかりやったから、こんなことを考える時間も気力もなかったし、好きなこともわからなかった。こんなに楽しいって感じなかった。」と言っています。
確かに。以前の学校では息子はまじめでおとなしく、何を思っているのかわかりにくい生徒だったようです。
今の学校ではちょっとおもしろくて、しっかりしていて、ガンガン前に進んで行くタイプという印象だそうです。

これは、息子のことをじっくりと見て、否定せず、全部は無理でもやってみたいということはできるだけやらせてあげよう、と協力してくださる先生方や環境のおかげです。
それと、時間がたっぷり、ゆったりしているからかな。
今の高校の時間はゆったり
確かに「学習」や「偏差値」というところを見ると、今、息子が通う学校は高くはないと思います。
それでも、高校卒業の資格は取れるので、大学や専門学校などさらに何かを学びたい時にはそこへの道は続いています。(もちろん本人の努力が必要ですが。)
「あまり学習が好きではないけれど高校卒業資格が欲しい。」とか「高校を卒業したいけれど好きなことにもたっぷり時間をかけたい。」という目的があるお子さんにはいいのではないかなぁ、と感じました。
また、全日制高校の雰囲気は合わないけれどしっかりと学習して難易度の高い大学に行ってより質の高いものを学びたいというお子さんには難易度の高い学校に照準を合わせた進学コースがある通信制高校もあるし、塾や予備校との併用という方法もあります。
「みなさん、是非!通信制高校へ!」というわけではありませんが、お子さんの性格や目的に合うのであれば、通信制高校はいい進路だと私は思っています。
大事なのは周りがどうか、ではなくお子さん自身がどう時間を使いたいか、何をしたいか、ですよね。

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